レアメタル・アースは地球上の資源におけるレアメタルの状況をまとめています。

レアメタルの問題

レアメタル危機と安定供給

数年前から、さかんに「レアメタル問題」「レアメタル危機」という言葉が取りざたされるようになってきています。高度化していく現在の産業でレアメタルの重要性は増すばかりですが、その安定供給には多くの問題が指摘されています。レアメタルをめぐる問題点を整理しましょう。

まず、中国やインドなどの開発途上国の近年の急激な工業化による資源需要の急増。今まで、輸出国であったこれらの国が、自国の産業の成長に伴って、資源の囲い込みをはじめたことです。次に、液晶テレビや、ハイブリッド自動車などの、特定の種類のレアメタルを必要とする製品開発。

そして、原油などと同様に、投機的資金が大量に流れ込んでいること。レアメタルはその特性上、需給のバランスが崩れやすい資源です。今後も、「レアメタル危機」と呼ばれる状況に陥る危険性は十分に考えられます。こうした危険を回避するためには、レアメタル資源セキュリティのレベルを向上させることが急務となっています。

その一環として、新技術の開発で問題開発を図ることは、日本の産業にとって新しい大きなチャンスを生み出すことにもつながっていく可能性も秘めています。


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レアメタルの国家備蓄

レアメタルは今や産業を支える重要な原材料です。したがって、その安定供給は国家的な問題であり、先進国を中心として各国が対策を行っています。たとえばアメリカやスイスでは、第二次世界大戦直前よりレアメタルの国家備蓄を実施しています。戦後は国家備蓄を進める国が増えました。

日本では、1983年改正の「金属鉱業事業団法」によって、平常時の消費量を基準として代替が困難で偏在性の著しい7種類のレアメタル...ニッケル、クロム、コバルト、タングステン、バナジウム、マンガン、モリブデンについて、経済産業省が主導する国家備蓄を1980年代から行っています。

この備蓄制度は官民の協力体制のもと行われています。国家備蓄と、民間による備蓄とをあわせて、60日分のレアメタルを確保することが目標とされています。供給に障害が生じた場合には緊急放出を行い、市場価格の高騰時には国家備蓄分を売却することで価格の安定化を図るものとしています。実際、1998年のバナジウム市場価格高騰時には国内市場への緊急放出が行われました。

しかし、実際には国内産業で必要とされるレアメタルの種類や量は増えてきていることから、現状に合った備蓄が行われているとはいいがたいともいえるでしょう。現在は備蓄対象となっていないインジウムやリチウム、レア・アースなども追加対象とするかどうかが検討されています。民間企業は、別途必要な在庫を保持して、市場環境に応じて積み増しなどの企業努力を行っています。


レアメタルの需要対策

レアメタルの輸入量は過去10年の間、おおむね4年程度のサイクルで増減しています。最近では2004年が輸入量のピークでした。鉱種によって、輸入量が増加しているもの、逆に減少しているものなどがありますが、全体の輸入量は徐々に拡大していると考えられています。

特に、燃料電池や太陽光発電パネル、フラットテレビに用いられる導電膜など、今後も市場拡大が予想される分野でのレアメタルの活用が進んでいます。合わせて、新しい素材や製品の開発が行われていることから、今後さらにレアメタルの需要は増加していくものと予想されています。

レアメタルの需要対策は、おもに以下の4つに分類されます。
(1)新鉱山開発や既存鉱山の含有量が低い箇所からの効率的生産
(2)国内廃家電などからのリサイクル(たとえば、携帯電話はレアメタルの宝の山といわれる)
(3)より少ないレアメタルもしくはレアメタルを使用せずに最終製品を製造する技術の開発
(4)豊富に存在する他の鉱物での代替
などに分類されます。

今後、新鉱山の開発やリサイクルに関連する企業、またレアメタルをできるだけ使用せずに製品を製造する技術を開発した企業などが株式市場でも注目されそうです。

レアメタルの資源確保

レアメタルの産出国が限られていることから、輸入国である日本をはじめとする国々は、産出国での様々な要因による供給障害がおこる可能性がありあす。その要因は、資源国側の資源政策だけではなく、政情不安、国内の混乱に伴うものもあります。1989年の中国の天安門事件に伴う供給障害はその例です。

その他、事故や自然災害によるものもあります。製錬所の爆発事故や、サイクロンによる流通障害、鉱山事故などです。さらに、鉱山を経営する企業のストライキをはじめとる企業内トラブルが原因となる例もあります。こうした短期的な供給障害に備えるためには、国内備蓄の徹底は有効でしょう。しかしながら、エネルギー資源同様に、金属資源も限られている資源であることに変わりはありません。

レアメタルの鉱床は現在に至るまでに見つかっているもの以外にも、今後も見つかる可能性はあり、未開発のレアメタルは大量にあるものと推測されています。今現在も、新たな鉱山の探査とその開発に、諸国がしのぎを削って力を入れています。

ただ、実際には鉱床が見つかったとしても、その国の情勢や鉱床の場所、技術的な問題などから発掘が難しいといった可能性も十分考えられます。こうした面でもレアメタルの資源確保の問題は、新たな発掘からだけではなく、リサイクル・再資源化の観点からも考えなければならないわけです。


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