レアメタルと資源国
国内メーカーの成長とレアメタル
レアメタルを用いた製品開発については、日本のメーカーが国際競争力をもつものが数多くあります。たとえば、インジウムを使用する液晶テレビの電導膜や、希土類磁石を用いたハイブリッド自動車、シリコンを使った太陽光発電パネルなどがそれです。
また、鉄鋼業に関しても、近年では従来品から生産の難しい高級ステンレス鋼や、自動車鋼板などの高機能製品の製造へのシフトが進んでいますが、こうした製品にはやはりレアメタルが添加剤として使用されているのです。こうした背景には、日本の国内メーカーは人件費や製造コストが他の国と比べて高くつくことから、産業の国際競争力を維持するためにも、製品の高機能化は避けられないという理由があります。そして、製品の高性能・高機能化を図るためにはレアメタルが必要不可欠な存在となっているのです。
各種産業が国際競争に打ち勝ち、日本の各メーカーが世界と闘っていくためにも、今後も先端技術の開発や新製品の生産、従来品の高機能化が展開していくことは間違いないでしょう。今後の日本の産業の成長持続のためにも、新材料や新素材の原料となるレアメタルの安定供給確保は重要な課題となっているのです。
また、鉄鋼業に関しても、近年では従来品から生産の難しい高級ステンレス鋼や、自動車鋼板などの高機能製品の製造へのシフトが進んでいますが、こうした製品にはやはりレアメタルが添加剤として使用されているのです。こうした背景には、日本の国内メーカーは人件費や製造コストが他の国と比べて高くつくことから、産業の国際競争力を維持するためにも、製品の高機能化は避けられないという理由があります。そして、製品の高性能・高機能化を図るためにはレアメタルが必要不可欠な存在となっているのです。
各種産業が国際競争に打ち勝ち、日本の各メーカーが世界と闘っていくためにも、今後も先端技術の開発や新製品の生産、従来品の高機能化が展開していくことは間違いないでしょう。今後の日本の産業の成長持続のためにも、新材料や新素材の原料となるレアメタルの安定供給確保は重要な課題となっているのです。
Sponsored Links »
レアメタルにおける中国の存在感
レアメタルはその偏在性から、生産国におけるレアメタル政策動向が、市場や輸入国に大きな影響力を持ちます。特に、中国の存在感は非常に大きなものとなっています。中国は、レア・アース、タングステン、インジウムなどの重要なレアメタルの産出国ですが、近年の自国の急激な経済成長による国内需要の伸びや、国際競争力をつけることなどを狙い、レアメタルをはじめとする多くの金属原料についての輸出増値税還付制度の廃止、輸出税の引き上げ、輸出許可医制度の導入などによって、輸出抑制策を政策として取り入れています。
実際に、中国は2006年から現在までに金属原料の輸出関税を度重ねて引き揚げました。同様に、他の国々も課税額を増やすなどの制度を整備しています。数年前までは、中国はレアメタルの輸出に寛容でした。それは、市場規模がいまほど大きくなかったレアメタルでは大きな収入(外貨稼ぎ)を期待することができなかったからです。
しかし、状況が変わり、レアメタルが「産業のコントローラー」の役割を果たすようになり、産業界での重要度が増したことから、急激に輸出を規制し始めたのです。裏を返せば、資源を売るよりも、資源を使って製品を製造し、その製品を売る方が利益が出せる...というほどにまで中国産業が成熟したといえるかもしれません。
実際に、中国は2006年から現在までに金属原料の輸出関税を度重ねて引き揚げました。同様に、他の国々も課税額を増やすなどの制度を整備しています。数年前までは、中国はレアメタルの輸出に寛容でした。それは、市場規模がいまほど大きくなかったレアメタルでは大きな収入(外貨稼ぎ)を期待することができなかったからです。
しかし、状況が変わり、レアメタルが「産業のコントローラー」の役割を果たすようになり、産業界での重要度が増したことから、急激に輸出を規制し始めたのです。裏を返せば、資源を売るよりも、資源を使って製品を製造し、その製品を売る方が利益が出せる...というほどにまで中国産業が成熟したといえるかもしれません。
レアメタルと戦略物資
中国をはじめとするレアメタル産出国は、各国ともに自国の資源保護のみならず、海外資源確保にも精力的に乗り出しています。レアメタルの埋蔵が確認されている、あるいは、その可能性が推定されるアフリカ諸国などの国や地域に対して、経済や技術援助の見返りとして採掘権の取得に励んでいます。
数百億という小さな市場であるレアメタルをコントロールすることで、その結果として、その数十倍もの規模となる多くの先端技術産業を牛耳ろうとするこうして、レアメタルにおける覇権主義を発揮しているのです。レアメタルをめぐる争いは、今後ますます激化していくことが想定されます。レアメタルは軍事上の戦略物質でもあります。かつて中国の鄧小平は「レアメタルを武器にすれば、中国は世界の頂点に立つことができる」という言葉を発したそうですが、その言葉の通りの現実が起きつつあります。
莫大な予算を投じて自国の埋蔵資源を新規に開発するよりも、コストが安くて済むという理由から、アフリカなどからの買い付けにも積極的に乗り出しています。世界のレアメタル資源が枯渇するという危機的状況を考えた場合には。とにかく自国の資源には手を着けずにとっておく...という考えが隠されているのかもしれせん。mt:If name="pc">
数百億という小さな市場であるレアメタルをコントロールすることで、その結果として、その数十倍もの規模となる多くの先端技術産業を牛耳ろうとするこうして、レアメタルにおける覇権主義を発揮しているのです。レアメタルをめぐる争いは、今後ますます激化していくことが想定されます。レアメタルは軍事上の戦略物質でもあります。かつて中国の鄧小平は「レアメタルを武器にすれば、中国は世界の頂点に立つことができる」という言葉を発したそうですが、その言葉の通りの現実が起きつつあります。
莫大な予算を投じて自国の埋蔵資源を新規に開発するよりも、コストが安くて済むという理由から、アフリカなどからの買い付けにも積極的に乗り出しています。世界のレアメタル資源が枯渇するという危機的状況を考えた場合には。とにかく自国の資源には手を着けずにとっておく...という考えが隠されているのかもしれせん。mt:If name="pc">
レアメタルの対する中国の取り組み
今まで、レアメタルは資源産出国の外貨獲得手段として、産出国から消費国へ、積極的に輸出政策がとられてきました。そのため、輸入国は需要に応じてレアメタルを安価で獲得することができていたのです。
中国も同様です。中国では、今までは輸出促進のために輸出値税還付制度を実施してきました。しかし、2004年にこの還付率を引き下げたをの皮切りに、それ以降繰り返し還付率を引き下げました。そしてついに2006年にはほとんどの金属についてこの制度の完全撤廃を決めました。
さらに、同じく2006年から輸出税付加を開始したほか、輸出許可制度適用による輸出数量の制限、レアメタルの一部鉱種への海外企業により投資禁止、レアメタルの委託加工を禁止、などの政策を次々に打ち出し、レアメタルをはじめとする自国の資源の国外流出を阻害する方針を明らかにとっています。
輸出税は暫定的に原則5%賦課を決め、商品別に10%から15%に賦課額を増やすことも通達しています。2008年からはレアアースの輸出税は10%から25%となったうえ、さらに輸出禁止品目も指定されることが懸念されています。また、輸出許可制度について、国家発展改革委員会はレアアース、タングステン、アンチモンの輸出は規制強化の結果、毎年10%削減を実行しています。こうした中国のような「資源ナショナリズム」とそれに伴う貿易政策に、輸入国は振り回されることになります。
中国も同様です。中国では、今までは輸出促進のために輸出値税還付制度を実施してきました。しかし、2004年にこの還付率を引き下げたをの皮切りに、それ以降繰り返し還付率を引き下げました。そしてついに2006年にはほとんどの金属についてこの制度の完全撤廃を決めました。
さらに、同じく2006年から輸出税付加を開始したほか、輸出許可制度適用による輸出数量の制限、レアメタルの一部鉱種への海外企業により投資禁止、レアメタルの委託加工を禁止、などの政策を次々に打ち出し、レアメタルをはじめとする自国の資源の国外流出を阻害する方針を明らかにとっています。
輸出税は暫定的に原則5%賦課を決め、商品別に10%から15%に賦課額を増やすことも通達しています。2008年からはレアアースの輸出税は10%から25%となったうえ、さらに輸出禁止品目も指定されることが懸念されています。また、輸出許可制度について、国家発展改革委員会はレアアース、タングステン、アンチモンの輸出は規制強化の結果、毎年10%削減を実行しています。こうした中国のような「資源ナショナリズム」とそれに伴う貿易政策に、輸入国は振り回されることになります。
中国と外資企業のガイドライン
外資企業が対中国投資をする際のガイドラインである「外商投資産業目録」の改定を行いました。ガイドラインでは、産業別に奨励業種、制限業種、禁止業種のいずれかに振り分けられますが、ハイテク産業やサービス産業などへの投資が奨励する一方で、タングステン、モリブデン、スズ、アンチモン、ホタル石、レアアースなどのレアメタル探査・採掘への投資は禁止項目として追加されました。
これは、資源節約と環境保護の促進を目的とするものとしていますが、2004年頃からの一連のレアメタル輸出制限的措置の流れをくむものと考えられています。しかしながら、レアメタルの加工業種は制限業種に分類されており、中国政府からの許可をとれば参入可能となっています。これは、外資企業の高い加工技術を導入する一方で、資源元は保護したい、レアメタルを囲い込もうとするという中国側の思惑が見られます。こうした中国の輸出制限的な動きが、国際価格の高騰の一大要因となっています。
鄧小平はかつて「中東に石油があるように、中国にはレアアースがある」という言葉を残しています。中国にとってレアアースは外交の切り札ともなっているのです。
これは、資源節約と環境保護の促進を目的とするものとしていますが、2004年頃からの一連のレアメタル輸出制限的措置の流れをくむものと考えられています。しかしながら、レアメタルの加工業種は制限業種に分類されており、中国政府からの許可をとれば参入可能となっています。これは、外資企業の高い加工技術を導入する一方で、資源元は保護したい、レアメタルを囲い込もうとするという中国側の思惑が見られます。こうした中国の輸出制限的な動きが、国際価格の高騰の一大要因となっています。
鄧小平はかつて「中東に石油があるように、中国にはレアアースがある」という言葉を残しています。中国にとってレアアースは外交の切り札ともなっているのです。
中国のレアメタル市場支配
それまでは、天然資源を売るほかに外貨獲得手段がなかった中国は、レアアースやタングステンなどのレアメタル資源を安値で供給していました。実際に、タングステンでは中国の安価供給との競争に負け、カナダの鉱山が閉山するなどの状況に追い込まれました。レアアースも同様です。結果として、中国はタングステンやレアアースで市場支配する立場となってしまったのです。西側鉱山の多くを閉山に追い込んだのです。中国は、こうした資源ナショナリズムを中心に、レアメタルに対して国家プロジェクトとして取り組んでいます。
そのほかにも、中国の企業が国外の資源探査・開発することを積極的に奨励し、中国国内の開発については外国企業の技術・投資を招致しています。特に強化している品目として、タングステン、アンチモン、レアアースについては、大胆な貿易政策を打ち出しています。世界のシェアの大部分を握るこれらの鉱種については強気の政策を実行しています。中国は、レアメタルを外交カードの切り札的存在として扱っているのです。
日本のレアメタル産業を今後を考えた場合に、こうした中国の資源ナショナリズムによる「中国リスク」を回避するためにも、資源の中国依存度を軽減するための対策を早急に摂ることが必要です。
特に、レアアース、タングステン、アンチモンについては緊急を要します。
そのほかにも、中国の企業が国外の資源探査・開発することを積極的に奨励し、中国国内の開発については外国企業の技術・投資を招致しています。特に強化している品目として、タングステン、アンチモン、レアアースについては、大胆な貿易政策を打ち出しています。世界のシェアの大部分を握るこれらの鉱種については強気の政策を実行しています。中国は、レアメタルを外交カードの切り札的存在として扱っているのです。
日本のレアメタル産業を今後を考えた場合に、こうした中国の資源ナショナリズムによる「中国リスク」を回避するためにも、資源の中国依存度を軽減するための対策を早急に摂ることが必要です。
特に、レアアース、タングステン、アンチモンについては緊急を要します。
レアメタルと新興国
中国の資源ナショナリズムの動きは、その他の資源国にも波及しつつあります。たとえば、チリは2004年以降外国投資法と所得法の改正を行った上で外貨規制を始めました。ぺルーも同様の動きを見せています。
ボリビアでは、モラレス政権のもと、鉱業ロイヤルティの大幅な引上げを行うとする新鉱業法について審議中です。モンゴルでは2006年に、国内の資源開発に対して金や銅の市況によって課税される超過利潤税を導入し、輸出利益の68%を徴税することとしました。さらに、戦略的鉱床については、国営企業が50%または34%の権益を取得することを可能とするよう鉱業法を改正しました。
ロシアでは、レアメタルなどの国家戦略的鉱床については、ロシア国内企業による過半以上の権益保持を条件とすることとし、外国企業は大規模開発の入札が事実上できないようになりました。カザフスタンでも地下資源法の改正を行い、地下資源ライセンス取得に関して国に優先権を認めることとしました。探鉱権や開発権についても政府介入を要することとしました。
インドネシアでは鉱業投資は政府と締結することとなっていましたが、現在は新鉱物石炭鉱業法を審議中です。その内容は、事業契約から事業許可制になることや、製錬の義務化(インドネシア国内で生産した鉱石は、国内で半製品、地金までの加工を行うこと)などとなっています。南アフリカでも、超過利潤税を導入しようとする動きがみられています。
このように、各国ともに自国の資源に対して積極的な政策をとる傾向が強まり、今後ますますレアメタルの需給構造が変化していくことが考えられています。
ボリビアでは、モラレス政権のもと、鉱業ロイヤルティの大幅な引上げを行うとする新鉱業法について審議中です。モンゴルでは2006年に、国内の資源開発に対して金や銅の市況によって課税される超過利潤税を導入し、輸出利益の68%を徴税することとしました。さらに、戦略的鉱床については、国営企業が50%または34%の権益を取得することを可能とするよう鉱業法を改正しました。
ロシアでは、レアメタルなどの国家戦略的鉱床については、ロシア国内企業による過半以上の権益保持を条件とすることとし、外国企業は大規模開発の入札が事実上できないようになりました。カザフスタンでも地下資源法の改正を行い、地下資源ライセンス取得に関して国に優先権を認めることとしました。探鉱権や開発権についても政府介入を要することとしました。
インドネシアでは鉱業投資は政府と締結することとなっていましたが、現在は新鉱物石炭鉱業法を審議中です。その内容は、事業契約から事業許可制になることや、製錬の義務化(インドネシア国内で生産した鉱石は、国内で半製品、地金までの加工を行うこと)などとなっています。南アフリカでも、超過利潤税を導入しようとする動きがみられています。
このように、各国ともに自国の資源に対して積極的な政策をとる傾向が強まり、今後ますますレアメタルの需給構造が変化していくことが考えられています。
レアメタルと北朝鮮
食料もエネルギーも乏しい独裁国家であるというイメージが強い北朝鮮ですが、最近になって豊富な地下資源の可能性が指摘され、特にレアメタルについては世界的にも稀な資源国となりうるとして世界各国から注目されています。アメリカの資源探査衛星からの情報分析で、北朝鮮にレアメタルが多く埋蔵されていることが明らかになったそうです。
たとえばタングステンは世界の埋蔵量のほぼ半分が北朝鮮にあるとされています。タングステンは切削工具に使用されるレアメタルで、軍需産業には欠かせない素材ひとつです。そのほか、モリブデンなども大量にあるものと考えられています。
こうした北朝鮮の豊富な地下資源をめぐる争奪戦は先進国の間ですでに始まっています。国際資本が北朝鮮の資源開発に乗り出すようです。国家プロジェクトとしてレアメタルに取り組んでいる中国は、北朝鮮の取り込みに向けて精力的に動いています。そのため、北朝鮮を「今後急成長が見込める新興市場」として位置づける向きも、中国やロシアなどの既存の産出国が「出し渋り」を始めた影響もあり、新たなレアメタルの資源供給源を得ようと、北朝鮮の利権確保に乗り出しているのです。
独裁政権ゆえの政治的な不安定さから、可能性と同時に大きなリスクを持ち合わせている国だけに、今後の動向が注目されています。国家外交の陰にはこうした事情も見え隠れします。
Page:
1
